2007年12月19日
ベトナム訪問
2007年11月、私はベトナムのハノイ市とホーチミン市を訪れた。この時期のベトナムは雨期が終わり乾期へ向かうころで、暑いながらも少しさわやかさを感じさせてくれる季節だった。
1975年にベトナム戦争が終わって早くも32年が過ぎようとしている。ベトナム戦争反対!と叫びながらデモの隊列にいたのは、つい、昨日のことだったようなきがする。しかし、ハノイ市では今、ベトナム戦争を思い起こさせるものはなに一つ見当たらない。「この、一柱寺(ベトナムを代表する名刹)の柱は、もともとは木だったのです。戦争で焼かれましたので、今はコンクリートになっています。」という観光ガイドの説明で、やっとこの国に戦争があったことを思い起こすほどだ。
しかし、ホーチミン市(旧サイゴン)には、「戦争証跡博物館」というものがある。そこを訪れる人々は、たちまちのうちに戦争の姿に打ちのめされ、厳粛な気持にさせられる。ここは米国と国交が回復する前は、「戦争犯罪博物館」と呼ばれていたそうだ。米国の戦争犯罪というよりは、人類の戦争犯罪といったほうがよいように思う。人間の愚かしい所業に思わず嘔吐しそうになる。また、私たちのベトナム戦争反対が、どんなに観念的なものであったかを思い知らされた。
ベトナムの人口は約8500万人。その65%は45歳以下という。確かに、街は若者が溢れかえり活気に満ちている。IT産業もそうだ。とくにハノイ市を中心とした北のソフトウェア企業は、日本市場を焦点に活発な活動を展開している。高い技術力を持つベトナムの若いエンジニアたちが、今、懸命に日本語の習得に励んでいる。彼らが日本にやってくる日はそう遠くない。平和の時代の中で、彼らとITビジネスを巡って競い、切磋琢磨できる事を喜びたい。